200841日 ガブリエル・フォーレ「ドリー」op.56
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ガブリエル・フォーレ(1845-1924) は、この「ドリー組曲」を1893-97年に
ドリーの愛称で呼ばれていたエレーヌ・バルダックの誕生日のために作曲しました。
ドリーは、メゾソプラニストで後にクロード・ドビュッシーと結婚した
エンマ・バルダックの娘でした。
ドビュッシーもエマのほかの娘に「子供の領分」を作曲しています。

「ドリー」は6曲からなっていてドリーの小さな世界を表現しています。

第1曲目の「Berceuse」は子守唄でドリーが1歳になった時に作曲されました。
何度も繰り返される伴奏形によって
ゆりかごの揺れる様子が上手く表現されています。
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ドリーの2歳の誕生日には「Mi-a-ou」(ミ・ア・ウ)が作曲されました。
ミ・ア・ウという題名はフランス語のMiau(ミャウ)から来ていますが、
フォーレが猫の鳴き声を題名に作曲したわけではなく、
ドリーのお兄さんのあだ名
「Messieu Aoul」(メッシュー
アウル)から来ています。
というのも単にドリーが彼の名前を
正しく発音できず、
彼女が兄を呼ぶ時にはこの様に聞こえたのでしょう。
猫の鳴き声になった経緯としては、
メッシューアウルでは理解されないと思った出版社が
勝手にタイトルを変えたという事でした。
 
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第3曲目「Le jardin de Dolly」(ドリーの庭)MUSIKBEISPIEL の後には、
第4曲目の「Kitty-Valse」(キティ・ワルツ)が来ますが、
この曲も本来は「Ketty-Valse」(ケティ・ワルツ)という名前でした。
Ketty」はドリーの飼い犬の名前ですが、
ミ・ア・ウ同様、出版社の判断で変えられたもので、 
多くの場合はいまだに「子猫のワルツ」として理解されています。
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そしてさらに第5曲目「Tendresse」(優しさ)とMUSIKBEISPIEL
最終曲の「Le pas Espagnol」(スペインの踊り) MUSIKBEISPIEL が続きます。

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